今回モデリングするのは、丸福金貨と呼ばれるものです。
太平洋戦争中、通貨の価値が下がる中で軍資金として使われた金貨だそうです。都市伝説「山下財宝」の一部か？とも言われています。
※「山下財宝」は都市伝説なので、真偽は定かではありません。ですが、丸福金貨は通貨の代わりに使われたものなので実在します。刻印の「福」には、いくつかバリエーションがあるみたいです。
表面には旧字体(？)の「福」、裏面には「24K、1000」の刻印があり、サイドにギザギザは無いみたいです。直径30.54mm、重量31.0g、品位は24K(純金)です(下図)。
厚さの情報が見つけられなかったのですが、金の密度19.32g/cm3から逆算すると：
体積Ｖ＝π×(30.54mm/2)2×H
重さW＝31.0g
密度W/V＝19.32g/cm3より、
厚さH＝31.0g/(π×(30.54mm/2)2)/(19.32g/cm3)≒2.19mm
金の相場は時々刻々変わるので、以下の値を使って金の価値に換算してみると：
2022/06/17のロンドン金相場： 1,800$/oz(オンス)
2022/06/17の為替レート： 134.87円/$
1oz(オンス)＝28.349523125g (SI単位)
↓
丸福金貨1枚(31.0g)の純金価値は、約265,463円
500円玉より、少し大きいくらいの金貨ですが、なんと、純粋な金の価値として26万円もの金額になるみたいです。それが戦時中の金貨となると、文化的価値、希少価値、芸術的(デザイン性)価値、等々、どういう評価になるか？作者にはわかりませんので、あしからずｍ（１＿＿）ｍ。26万円はあくまで、純金の塊として見た時の価値(時価)です。
過去、日本が発行した記念10万円金貨が2種類ほど存在するようです。これも、20～30[g]の純金製なので、2022/06/17の価値では、額面10万円を遥かに超える価値があります。しかし、こちらは潰して金の塊にしてしまうと罪に問われてしまいます(貨幣損傷等取締法)。
逆に、もし、金の価格が低下するか、円の価値が上昇して、金の価値として10万円を下回ったとしても、日本国内では変わらず10万円の価値があります。
※流通している普通の硬貨(10円玉とか、500円玉)の原材料費(原価じゃないよ)は、額面よりずっと安くできています。さもないと、貨幣損傷等取締法を無視して硬貨を集め、「潰して金属の塊として売った方が儲かるじゃん」なんて考える不届き者が現れるので、賢明な考え方だと思います。
そもそも、記念10万円金貨は希少価値もあり、デザインも美しいので芸術的価値もあるでしょうから、市場でどのような評価になっているのか調べてみると面白いかもしれません。
サイズはインターネットで調べた直径30.54mmと、金の密度から計算した厚さ2.19mmと判りましたので、二次曲面を組み合わせてモデリングすることが可能です。
刻印を二次曲面の組み合わせで作り出すのは難度が高いので、凹凸マッピングで表現します。凹凸マッピングは、物体の表面に、あたかも凹凸があるかのようにレンダリングする機能で、高い(凸)部分を白、低い(凹)部分を黒くなる様に作成した凹凸マッピングデータを用意する必要があります。
と、その前に、丸福金貨の表面には「福」の漢字が刻印されているのですが、示辺が「ネ」ではなく、「示」になっています。恐らく、旧字体なのでしょう。JISコードに「示」辺の「福」が無いかと探してみましたが、見つけられませんでした。
そこで、今でも「示」を辺に持つ漢字の中から、「祇」と言う漢字を使い、新字体の「福」との組み合わせで、刻印の文字を作りました(下図)。
※後でもう一度よく探してみたところ、ありましたｍ（１＾＿＾；）ｍ、【福】。S-JISコードで0xfb82(または0xee65)、区点コードで91区38点、ただし、第一・第二水準漢字には含まれず、Windows機種依存文字の中に見つけました(Windowsの機種依存文字なので、他の環境では【】内の文字が見えていないかもしれません)。なお、折角組み合わせて作った方の文字を、そのまま使っています。
「財宝」と聞けは思い浮かぶのは「宝の山」、と言う事で、金貨を積み上げてピラミッドを作って見ようと思い立ちました。
厚さ2.19mmの金貨を1枚づつ積み重ねても、「山」にはならないので、金貨を10枚積み重ねて円筒型にしたブロックをピラミッドの様に積み重ねて「山」にしました。
ピラミッドをN段積み重ねた時、ブロックの数は：
N段： Σk2 [k=1～N]＝1＋22＋32＋……＋N2[個]
ブロック1個で丸福金貨10枚ですので、金貨の枚数は更に×10倍。と、4段のピラミッドで約7,950万円、5段だと、1億4,575万円の価値となります(丸福金貨1枚約26.5万円で計算)。これなら財宝と呼ぶに相応しいでしょう？
完成したデータをリンクしておきます。
| １） | Xi-TRACEデータ | huku_gold.xitr |
| ２） | 凹凸マッピングデータ | huku_gold_faceb.xpic |
| huku_gold_backb.xpic | ||
| ３） | 色マッピングデータ | huku_gold_facec.xpic |
| huku_gold_backc.xpic | ||
| huku_gold_wood.jpg |
１）でレイトレーシングを実行します。２）３）は１）から読み込んで使っているマッピングデータです。１）と同じディレクトリに置いてください。
完成した動画を以下にリンクしておきます。
最近のジャンボ宝くじ、とまでは言わないので、この位(↑)の宝くじ、当たらない物かなぁ……ｗ（１＾ｑ＾；）ｗ。
